相手側が弁護士をつけた方へ
- ある日、自宅の郵便受けに「〇〇法律事務所」からの封筒が入っていた。
中を見ると「□□氏の代理人となりました弁護士です。今後、離婚についてのご連絡は、こちらにお願いします。」と書いてあった -
このケースの話です。
弁護士をつけるのは自由
あなたは、「夫婦で話し合えばいいのに、なんで赤の他人の弁護士なんてつけるんだ」と憤るかもしれません。
しかし相手は、「もう、自分では話し合いはできない・自分での話し合いはしたくない」と思っているわけです。互いの認識に違いがあります。
また相手方も、弁護士費用や、時間を割いて法律事務所まで出向き、相談を重ねるなどの負担をした上で、弁護士に依頼しているわけです。
経験からくる見通しの差
相手が弁護士ですので、法律や裁判例の知識が豊富なのは、当然です。
その上で、「離婚案件を数多く経験した弁護士か」が重要となります。
たとえば当事務所はこれまでに数100件以上,離婚や慰謝料の業務に携わってきました。
その経験から,今後の展開や相手方のタイプ別の傾向、仮に最終的に離婚訴訟となり「判決」になった場合の結論についても、見通しを推察できます。
さらに現在進行形で複数の離婚案件を受任していますので、家庭裁判所、特に名古屋家庭裁判所の実務傾向についても把握しています。
この点、各弁護士によって、注力分野には違いがあります。
特に離婚問題は、依頼者だけではなくその家族の人生も左右するシリアスな問題であるため、中には受任を控える弁護士もおられます。
そのため、相手方が弁護士をつけた場合でも、離婚案件の経験がそれほどない弁護士であれば、離婚に注力した弁護士を依頼することにより、主導的に交渉を進めやすくなります。
相手は客観的なアドバイスを得ている
ただでさえ、人は大きなトラブルを抱えてしまうと、そのことで頭がいっぱいになり、仕事では能力の高い方でも、自分自身のことには客観的な判断が難しくなります。
ましてや離婚問題は、それまで毎日一緒に積み重ねてきた夫婦の歴史、子どもや互いの実家も関係してくるため、思い入れが強く、より深く考え込んでしまう傾向が強いです。
また夫婦の問題・男と女の問題は、親友や身内にもすべてを話すことは難しいでしょう。
(実際、当事務所に相談に来られる方でも、初回相談は親御さんと一緒に来られた方が、後日「あの時は親がいたので言えなかったのですが、、、」と連絡がきて、重要な事実を打ち明けてくれることもあります)
この点、相手方が弁護士をつけた場合、弁護士は相手方から詳細に話を聞き取りし、その上で専門家の立場から冷静かつ客観的に分析し、時間をかけて相手方と方針を練っています。
そのため、トラブルの当事者の方が自分だけで考えるのと比べて、どうしても差がつきます。
これについては、いきなり弁護士に正式依頼までせずとも、とりあえずじっくり法律相談をしてみて、中立の立場にある人間の意見を聞いてみるのもいいと思います。
離婚調停を一人でこなしていけるか
離婚問題が家庭裁判所での調停に移行すると、家裁の調停委員2名を挟んでの協議となります。
この点、実際にご自身だけで離婚調停(相手方は弁護士あり)をされたある方の感想ですが、
「相手本人と相手の弁護士、それに調停が2名とも相手側寄りで、まるで4対1で攻撃されてるような気がした。」と述べられていました。
繰り返しますが、ただでさえ離婚をめぐるトラブルで心労が重なっている中、一人でこの調停を乗り切るのは大変と思います。
この点も弁護士を依頼すれば、まず家裁に対してはあらかじめこちらの主張を書面でまとめ、資料とともに送信し、調停委員に伝わりやすいようにします。
何より調停の現場で、あなたと同席して、調停委員との協議に向かいます。
「家庭裁判所の調停室」という慣れない現場で、人生の重要事を協議する際に、「隣に専門家の味方がいる」というだけでも、心強さが違うと思います。
離婚訴訟は法律上の主張が必須
私個人としては、離婚という互いの人生がかかった問題は、なるべく協議や調停で、柔軟な解決を図るほうがよいと思っています。
しかし、互いに譲れない点がある場合や、そもそも離婚する・しないで合意ができない場合には、訴訟にならざるを得ません。
訴訟は調停のような話合いとは異なり、あくまで法律上の争いです。裁判官に対して法律上の意味がある主張をすることが、必須です。
この点、まれにご本人で訴訟までされている方もいますが、やはりどうしても、法律上の意味がない主張を続けていたり、裁判官から示唆された内容を誤解していたりします。
以上のとおりです。
もし、相手方が弁護士を立てたことで気苦労が増している方、「不利な離婚条件で丸め込まれてしまわないか」と不安な方は、実際の離婚・慰謝料問題に多数携わった専門家の、法律相談だけでも一度体験してみれば、気持ちが安らぐと思います。
執筆者情報
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最も大事なこと、それは、お客様と信頼関係を構築すること。
弁護士にしか話せないこと、言えないこともあります。時間をかけても信頼関係を構築することが何より大切だと思っています。話しにくいこと、言いたくないことも出来るだけ話してもらえるよう、私はまずお客様の話す内容を時間をかけて細部までよく聴き、真意をつかみ取るように意識しています。お客様の話す内容については、単にご要望を伺うだけではなく、何故そのような心情に至ったのかを背景事情も踏まえて私なりに分析し、お客様の真意に見合った解決案を提示することを心がけています。
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