夫のモラハラにより妻が子を連れて別居、代理人が夫との交渉を重ねて,協議での離婚が成立した例
目次
カテゴリ:モラルハラスメント, 女性, 財産分与, 離婚を切り出した, 養育費
属性
依頼者 20代女性(パート)
相手方 30代男性:夫(会社員)
子ども 2名
相談の経緯
夫は一人目の子が産まれた以降、イライラすることが増え、妻に対して高圧的な態度・舌打ちをよくするようになったそうです。
夫は子ども達に対しても怒鳴るようになり、また車の運転時に他の車や通行人を口汚く罵倒したり、さらには子ども達がいるのに「あおり運転」に近い事までするようになりました。
妻は「子どもが事件や事故に巻き込まれるからやめてほしい」と何度も頼みましたが、すぐに同じことが繰り返され、さらに夫が子どもに怒鳴ることも増えていったため、妻は子ども達を連れて別居しました。
妻はもう夫が怖く、自分では離婚の話合いができないということで、相談に来られました。
当事務所の活動
相手方に弁護士名で離婚を求める書面を通知しました。
夫からはこれまでのモラハラを反省し、修復を求める連絡もありましたが、妻は「これまでも同じことの繰り返しだった」として、離婚に向けての交渉を続けました。
また妻の別居先が遠方であったため、なるべく調停にはせずに(※ 離婚調停は相手方(調停を起こされた側)の住所地の家庭裁判所に申し立てなければならないので、遠方だと調停に出席するだけでもかなりの負担になります)、話合いでの離婚を目指し、夫との交渉を重ねました。
結果
離婚自体に争いがあったので約7か月経過しましたが、最後は当事務所まで夫に出向いてもらい、離婚・子ども二人ともの親権を依頼者とし、養育費や財産分与も依頼者の希望に近い金額、子ども達との面会も依頼者宅近辺まで夫が出向くとの内容で合意が成立し、当方で作成した協議離婚書に、互いに署名捺印を頂きました。
ポイント、所感
一部のモラハラ・DVをしてしまう人の傾向ですが、暴言や暴力をしておきながら、相手が離婚を求めると、一時的には謝って反省するのですが、また少しすると同じことが繰り返されます。
そのため被害者が別居や離婚になかなか踏み切れず心労が蓄積し、身体に影響が出てしまうこともあります。本件の依頼者も「夫も謝っているし子どもが2人いるから離婚はしないほうが、、」と我慢を重ねた結果、過呼吸まで起こすようになってしまったそうです。
特に子どもがいる場合、別居・離婚は大変ですが、精神や身体に異変が生じるレベルになってしまった場合、そのような環境が子どもにとって本当に適切かどうかを、冷静に考えることも大切と思います。
執筆者情報

- 鈴木洋平
-
最も大事なこと、それは、お客様と信頼関係を構築すること。
弁護士にしか話せないこと、言えないこともあります。時間をかけても信頼関係を構築することが何より大切だと思っています。話しにくいこと、言いたくないことも出来るだけ話してもらえるよう、私はまずお客様の話す内容を時間をかけて細部までよく聴き、真意をつかみ取るように意識しています。お客様の話す内容については、単にご要望を伺うだけではなく、何故そのような心情に至ったのかを背景事情も踏まえて私なりに分析し、お客様の真意に見合った解決案を提示することを心がけています。
|当事務所の弁護士紹介はこちら
最新の投稿
- 2025.07.25解決事例離婚後、夫が再婚し再婚相手との子どもが出来たため、元妻に対し養育費の減額請求を行った事案。従前の養育費から月額2万円の減額で合意した例
- 2025.07.23解決事例長期間の別居状態で夫婦間の交流もなかったため、夫の方が離婚の請求をした。 妻は夫からの婚姻費用の継続を求め、婚姻関係はいまだ破綻していないとして離婚に反対。また仮に破綻の場合は、夫の不貞が原因だ(有責配偶者)と主張。最終的には、和解離婚を獲得した例
- 2025.07.21解決事例妻に対して暴言や経済的な依存があり酒癖の悪い夫と離婚したいが、夫が怖くて口論では負けてしまう妻。夫との離婚を強く希望した結果、妻自ら別居に踏み切り、最終的に協議離婚が成立した例
- 2025.07.19解決事例会話も無い家庭内別居状態の夫と離婚し、夫に出て行ってもらいたい妻が、最終的には3回目の調停で離婚を獲得した例
関連記事はこちらをご覧ください。
- 離婚後、夫が再婚し再婚相手との子どもが出来たため、元妻に対し養育費の減額請求を行った事案。従前の養育費から月額2万円の減額で合意した例
- 長期間の別居状態で夫婦間の交流もなかったため、夫の方が離婚の請求をした。 妻は夫からの婚姻費用の継続を求め、婚姻関係はいまだ破綻していないとして離婚に反対。また仮に破綻の場合は、夫の不貞が原因だ(有責配偶者)と主張。最終的には、和解離婚を獲得した例
- 妻に対して暴言や経済的な依存があり酒癖の悪い夫と離婚したいが、夫が怖くて口論では負けてしまう妻。夫との離婚を強く希望した結果、妻自ら別居に踏み切り、最終的に協議離婚が成立した例
- 会話も無い家庭内別居状態の夫と離婚し、夫に出て行ってもらいたい妻が、最終的には3回目の調停で離婚を獲得した例
- 子どもを連れて家を出た妻から,調停で不相当に高額な婚姻費用,財産分与,慰謝料等を求められたが,適正な婚姻費用で調停を成立させるとともに,財産分与,慰謝料請求については完全に退けた例
- 夫からのモラハラにより別居となり、過去の調停にて取り決めた婚姻費用(生活費や養育費)も一部未払いにされていた妻が、それまで離婚を拒否し親権も渡さないと主張していた夫と調停離婚を成立させ、親権と養育費を獲得した例
- 夫の不倫により妻が離婚を決意。財産分与として住宅を妻が取得し、住宅ローンは夫が支払い続ける内容で合意し,協議離婚書を作成した例
- 軽度の精神疾患のある妻との離婚協議で、当初は離婚条件として高額の請求をされたが、弁護士が交渉を重ねて、互いに合意で離婚が成立できた例
- 財産分与について,妻から「自宅購入時の妻の父からの援助を、全額返してほしい」と要求されたが,自宅における妻の「特有財産」分として処理し,適正な財産分与額で協議離婚が成立した例
- 妻の不倫相手を弁護士会照会によりナンバープレートから特定し、不貞の事実を認める書面に署名捺印、慰謝料180万円を獲得した例