会話も無い家庭内別居状態の夫と離婚し、夫に出て行ってもらいたい妻が、最終的には3回目の調停で離婚を獲得した例
目次
属性
夫 50代男性
妻 50代女性 (依頼者)
子ども 2人
相談の経緯
依頼者は長年、夫と同居していながらも、会話すらない家庭内別居の状態が続いていました。日々の生活でのストレスで心がすり減り、早期の離婚を希望していました。
しかし、夫とは長年会話もしていない状態であったため、離婚に向けた話し合いは思うように進まず、悩みを抱えていたところ、知人の紹介をきっかけに当事務所へご相談いただきました。
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当事務所の活動
当事務所は、妻の代理人として家庭裁判所に離婚調停を申し立てました。
また同時に、調停外でも粘り強く夫との交渉を重ね、夫の理解を得られるよう丁寧に話合いを進めていきました。
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結果
夫には住居からの退去に応じて頂き、3回目の調停で離婚が成立しました。
また、調停の中で財産分与、養育費、年金分割についてもきちんと取り決めを行い、将来を見据えた形での解決が実現できました。
※なお、本件の解決内容は、当該案件における事情に基づくものであり、同様の結果を当事務所が保証するものではありません。
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ポイント・所感
①相手の退去
夫婦で同居している場合、離婚前に一方を強制的に退去させることは原則としてできません(双方に居住権があるため)。
本件では、住宅が妻名義であったため、比較的スムーズに夫が離婚前の退去に応じてくれました。しかし各事案で、物件の名義や生活状況によって、かなり難航するケースもあります。
そうした場合は、柔軟な条件(引越費用・当面の家賃負担など)を提示して退去を促す戦略も必要になります。
②相手に弁護士がついていない場合
本件では、夫に弁護士がついていませんでした。このように相手に弁護士がついていないケースでは、相手が感情的に主張を繰り返したり、独自の拘りで些末な議論に終始したりして、話合いが本筋から逸れ、なかなか解決に至らないこともあります。本件も正にそうでした。
そのため当事務所は、調停内外問わず、夫にも丁寧に対応しながら誤解を解き、冷静で建設的な話し合いができるよう導き、早期解決へとつながりました。
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家庭内別居の状態で、配偶者と一切の話し合いができず、どうにもならないと感じている方は、ぜひ一度、弁護士にご相談ください。
執筆者情報

- 鈴木洋平
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最も大事なこと、それは、お客様と信頼関係を構築すること。
弁護士にしか話せないこと、言えないこともあります。時間をかけても信頼関係を構築することが何より大切だと思っています。話しにくいこと、言いたくないことも出来るだけ話してもらえるよう、私はまずお客様の話す内容を時間をかけて細部までよく聴き、真意をつかみ取るように意識しています。お客様の話す内容については、単にご要望を伺うだけではなく、何故そのような心情に至ったのかを背景事情も踏まえて私なりに分析し、お客様の真意に見合った解決案を提示することを心がけています。
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