子どもを連れて家を出た妻から,調停で不相当に高額な婚姻費用,財産分与,慰謝料等を求められたが,適正な婚姻費用で調停を成立させるとともに,財産分与,慰謝料請求については完全に退けた例
属性
依頼者 40代男性
相手方 20代女性
子ども2名
相談の経緯
相談者は別居中の妻から,婚姻費用調停及び離婚調停を申立されました。さらに調停において妻は,相場よりも高額な婚姻費用や根拠なき財産分与の請求,不貞(妻の思い込み)を理由とする慰謝料請求をしていました(妻は代理人弁護士に依頼していない)。
相談者は調停での対応に困り、相談に来られました。
当事務所の活動
まず,依頼者に適切な婚姻費用の相場,財産分与や慰謝料については根拠なしに認められることはないことを丁寧に説明し,調停においても客観的な資料・証拠を用いて主張をしました。
結果
調停委員は,依頼者の提出した客観的な資料を根拠に適切な婚姻費用額を割り出し,それを妻に伝えるとともに,妻にこれで納得するように説得してくれました。また,財産分与も根拠のあるものだけに限定して算出した結果,請求を退けることができました(つまり,一切支払わずに済みました)。不貞慰謝料請求についても同様に根拠がないため,完全に退ける内容で,3回目の調停で合意し,離婚が成立できました。
※なお,解決内容については本件に関してものであり,同様の結果を当事務所が保証するものではありません。
ポイント,所感
今回は,妻が少しでも多く夫から金銭を獲得しようとする意図が明確に感じられた事案でした。さらに,妻が弁護士に依頼しなかったことから,調停委員に当初は妻の味方をするかのような発言が見受けられました。
しかし,当事務所は妻に対し,調停とは,強行に財産を獲得するためのものではなく,互いに歩み寄って合意・解決をするものであることを粘り強く書面で何度も伝えるとともに,調停委員に対しても,迅速に証拠書類を提出することで,こちら側の提案した妥当な結論で合意することができました。
調停はもちろん,現在離婚について話し合いをなさっている方で,相手方がの要求が不当に過大では,と不安になる方は一度,弁護士へご相談下さい。
執筆者情報

- 鈴木洋平
-
最も大事なこと、それは、お客様と信頼関係を構築すること。
弁護士にしか話せないこと、言えないこともあります。時間をかけても信頼関係を構築することが何より大切だと思っています。話しにくいこと、言いたくないことも出来るだけ話してもらえるよう、私はまずお客様の話す内容を時間をかけて細部までよく聴き、真意をつかみ取るように意識しています。お客様の話す内容については、単にご要望を伺うだけではなく、何故そのような心情に至ったのかを背景事情も踏まえて私なりに分析し、お客様の真意に見合った解決案を提示することを心がけています。
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