妻に対して暴言や経済的な依存があり酒癖の悪い夫と離婚したいが、夫が怖くて口論では負けてしまう妻。夫との離婚を強く希望した結果、妻自ら別居に踏み切り、最終的に協議離婚が成立した例
目次
属性
夫 40代男性
妻 40代女性 (依頼者)
相談の経緯
依頼者は、長年にわたり夫に問題改善(暴言・酒癖の悪さ・経済的な依存)を促したものの状況は変わらず、離婚を望むようになりました。しかしご自身で離婚の話し合いを進める勇気や自信がありませんでした。
精神的に限界を迎えたことで、自ら自宅を出て別居されましたが、もともとその家は妻の所有であり、いずれは自宅に戻りたいというご希望もありました。
夫との協議をどう進めればよいか分からないとのことで、当事務所へご相談くださいました。
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当事務所の活動
依頼者の代理人として、夫と、離婚について直接交渉をしました。
当初、夫は反省の意志を見せ離婚に反対しました。しかし、丁寧に協議を重ねた結果、最終的には離婚に応じる意向を示しました。
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結果
夫と直接交渉を重ねた結果、協議離婚が成立しました。
また、夫には一定期間経過後、自宅から退去していただくことで合意に至りました。
※なお、本件の解決内容は、当該案件における事情に基づくものであり、同様の結果を当事務所が保証するものではありません。
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ポイント・所感
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モラハラ系の相手との交渉
モラハラ傾向のある相手との交渉では、意外にも相手が反省の意を示し、復縁を望むことがあります。
しかし多くの場合、その「反省」は一時的なもので、時間が経てば再び同じ言動を繰り返す傾向があります。相手は配偶者の限界に気付いていないか、気付いていてもその場の感情を優先してしまうためです。
したがって、反省の言葉が表面的ではなく、本心であるかどうかを見極めることが重要です。
また、相手が本気で離婚の決意を感じ取ると、態度を一変させ攻撃的になるケースもあるため、交渉には慎重さと一貫性が求められます。
当事務所のこれまでの事例を鑑みると、モラハラ傾向のある相手が夫(男性)の場合、合理的・論理的な説明には納得しやすく、適切なメリットを提示することで早期解決に至るケースも多々あります。
ただし、どのような条件をどのタイミングで提示するかは事案ごとに異なるため、交渉が難しいと感じた場合は弁護士へご相談ください。
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復縁する場合
まれに、弁護士への相談や委任をきっかけに、当事者が冷静になり復縁を選ぶケースもあります。
その場合、再発防止のために約束事を定めた合意書や誓約書を作成しておくと有効です。書面作成については、過不足なくかつ合理的な内容にするためにも、弁護士に相談することをおすすめします。
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モラハラ傾向にある相手との離婚協議などについて「話し合いが出来ない」「自分だけでは進められない」と感じている方は、ぜひ一度、弁護士にご相談ください。
執筆者情報

- 鈴木洋平
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最も大事なこと、それは、お客様と信頼関係を構築すること。
弁護士にしか話せないこと、言えないこともあります。時間をかけても信頼関係を構築することが何より大切だと思っています。話しにくいこと、言いたくないことも出来るだけ話してもらえるよう、私はまずお客様の話す内容を時間をかけて細部までよく聴き、真意をつかみ取るように意識しています。お客様の話す内容については、単にご要望を伺うだけではなく、何故そのような心情に至ったのかを背景事情も踏まえて私なりに分析し、お客様の真意に見合った解決案を提示することを心がけています。
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