夫のモラハラにより妻が離婚を決意し子を連れて別居、妻が離婚調停を提起して離婚成立・調停で養育費も合意した例
目次
カテゴリ:モラルハラスメント, 女性, 親権, 財産分与, 離婚を切り出した, 養育費
属性
依頼者 30代女性(主婦)
相手方 40代男性(会社員)
相談の経緯
夫は婚姻前から急に怒り出すことがあったそうですが、二人目の子が産まれた以降それがひどくなり、子の前で数十分間も妻や妻の親を罵り続ける、夫婦げんかになると妻に謝罪を脅迫的に要求するなど、モラハラ傾向にあったそうです。
夫のモラハラは改善せず、妻は毎日の生活に耐えきれなくなり、離婚を決意し、子ども達を連れて別居しました。
別居後、妻は自分で離婚の話合いを夫にしましたが、夫が離婚を拒否したため、相談に来られました。
当事務所の活動
相手方の離婚拒否の意思が強いため、早期の離婚成立には調停をすべきと判断し、家庭裁判所に離婚調停を申立ました。
調停でも相手方は離婚を拒否していたので、これまでの暴言や脅迫的発言について、時系列に沿って書面で詳しく主張し、もうやり直すことはできないと強調しました。
結果
離婚自体について争いがあったので、約8か月経過しましたが、最後は調停で、離婚と子ども二人ともの親権を依頼者とすることで合意し、養育費や財産分与も依頼者の希望に近い金額で成立できました。
ポイント、所感
モラハラ加害者の特徴ですが、それまで相手へのひどい侮辱を続けておきながら、相手が本気で離婚を求めると、離婚だけは頑なに拒否するというパターンがあります。
そこで、モラハラが改善されればよかったのかもしれませんが、離婚を拒否する際の話合いでも、高圧的・侮蔑的な態度は変わらなかったそうです。
通常であれば、そのような態度を取れば相手はやり直しどころか、ますます離婚したいと感じると予想できるはずですが、モラハラ加害者側も、感覚が麻痺しているのかもしれません。
夫・妻のモラハラに耐えすぎると、精神はもちろん身体にも不調が出ることがあります。
別居・離婚の決意は大変ですが、専門家の助力を得て、調停という公的機関も利用すれば、相手の態度に怯えるような毎日から、決別できると思います。
執筆者情報

- 鈴木洋平
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弁護士にしか話せないこと、言えないこともあります。時間をかけても信頼関係を構築することが何より大切だと思っています。話しにくいこと、言いたくないことも出来るだけ話してもらえるよう、私はまずお客様の話す内容を時間をかけて細部までよく聴き、真意をつかみ取るように意識しています。お客様の話す内容については、単にご要望を伺うだけではなく、何故そのような心情に至ったのかを背景事情も踏まえて私なりに分析し、お客様の真意に見合った解決案を提示することを心がけています。
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