夫側の離婚調停成立の解決事例
目次
カテゴリ:性格の不一致, 男性, 財産分与, 離婚を切り出した, 養育費
属性
依頼者 30代男性(会社員)
相手方 20代女性(主婦)
子ども 2名
相談の経緯
妻との性格の不一致による別居後、離婚自体は合意していましたが、条件面で当人同士では話合いが進まず、妻が離婚調停を申立てました。
当初、依頼者は自分一人で調停に出席していましたが、オーバーローン(住宅の売却価値よりも住宅ローン残高のほうが高い)の自宅があり、財産分与について調停委員の話に納得ができず、周囲にも勧められて相談に来られました。
相談の結果、当事務所の弁護士が、離婚調停の代理として受任しました。
当事務所の活動
まず、依頼者の財産やローン資料を確認し、依頼者の希望に正当性があることを確認しました。
調停では、依頼者の主張の正当性を資料とともに主張し、調停委員が不正確な話をした際には、冷静に指摘しました。
その上で、妻側にも、依頼者の提案が決して妻に損をさせるものではなく、双方にとって妥当な解決案であることを、調停委員を通じて伝わるようにしてもらいました。
結果
調停受任から約4か月で、調停の席上で財産分与・養育費を含めた合意が成立し、調停離婚が成立しました。
内容としても、早期成立のためある程度は妻側の希望にも合わせましたが、依頼者の意向に近い形で成立できたと思います。
ポイント、所感
ほとんどの調停委員の方々は、夫婦・家族間のトラブルを解決するために一生懸命に頑張ってくれている方々です。
ただ中には、あまり正確ではない思い込みをしてしまい、調停員の方は善意とは思いますが、離婚の当事者にとっては「意見を押し付けられた」と感じられる方もいます。
この点、経験のある専門家であれば、調停委員の方の意見が、正しいものかどうかを冷静に判断し、もし不正確な点があれば、きちんと指摘することが可能です。
またそれにより、正当な内容での相手方との合意成立にもつながります。
今回の依頼者の方は、「先生に調停に同席してもらったら、自分だけでやってた時と調停の雰囲気が一気に変わりました。」と伝えてくれました。
離婚をめぐるトラブルは、ただでさえつらい中に、孤独な戦いになってしまうことがあります。
ご自身では交渉や調停を進めるのは難しいと感じられている方は、ぜひ、経験のある弁護士に相談してみて下さい。
執筆者情報

- 鈴木洋平
-
最も大事なこと、それは、お客様と信頼関係を構築すること。
弁護士にしか話せないこと、言えないこともあります。時間をかけても信頼関係を構築することが何より大切だと思っています。話しにくいこと、言いたくないことも出来るだけ話してもらえるよう、私はまずお客様の話す内容を時間をかけて細部までよく聴き、真意をつかみ取るように意識しています。お客様の話す内容については、単にご要望を伺うだけではなく、何故そのような心情に至ったのかを背景事情も踏まえて私なりに分析し、お客様の真意に見合った解決案を提示することを心がけています。
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