自宅の財産分与と解決金50万円で調停離婚が4ヶ月で成立した事例
目次
カテゴリ:慰謝料, 男性, 調停離婚, 財産分与
属性
依頼者 60代 男性(嘱託勤務)
相手方 60代 女性(パート)
子ども 成人済み
主な争点 離婚原因(有責性の有無)、慰謝料・財産分与の額
相談の経緯
夫が家を出て別居して10年が経過。夫は既に別の女性とともに新たに住居を構え生活していました。別居期間中に、夫は弁護士をつけず、離婚調停を成立させようとしましたが、妻が離婚に同意せず不調に終わりました。
依頼者は、別居期間も10年を超え、この機に妻と離婚し、清算したいと離婚を強く希望されていました。弁護士会主催の相談会で私が担当し、受任に至りました。
夫としては、同居中の内縁の妻に財産を残したい気持ちもありました。また、夫は、自宅を別居してから使用しておらず、不要だったため、自宅を妻に渡すことで全て解決したいと考えていました。
妻は、離婚に反対し、離婚するのであれば、有責配偶者(不貞等)として高額な慰謝料と財産分与を請求していた事案です。離婚自体と離婚条件に大きな乖離がありました。
当事務所の活動
これまでの経緯や妻の性格上、協議での解決は難しいと考え、直ちに調停の申立を実施しました。
結果
自宅の財産分与と解決金50万円で、離婚が成立(調停回数3回)しました。
調停申立から4か月で解決できました。
ポイント、所感
主な争点は、離婚原因(夫の有責性の有無)や慰謝料・財産分与の額にありました。
夫は別居中に妻に生活費を支払っていないことや、有責の疑いなど不利益な点もありましたが、調停ではその議論に深入りせず、有責性は否定、解決策を積極的に提示して、解決を図りました。
その結果、妻は高額な請求を諦め、夫が希望した条件に多少の上乗せ(50万円)で解決が図れました。
執筆者情報

- 鈴木洋平
-
最も大事なこと、それは、お客様と信頼関係を構築すること。
弁護士にしか話せないこと、言えないこともあります。時間をかけても信頼関係を構築することが何より大切だと思っています。話しにくいこと、言いたくないことも出来るだけ話してもらえるよう、私はまずお客様の話す内容を時間をかけて細部までよく聴き、真意をつかみ取るように意識しています。お客様の話す内容については、単にご要望を伺うだけではなく、何故そのような心情に至ったのかを背景事情も踏まえて私なりに分析し、お客様の真意に見合った解決案を提示することを心がけています。
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