審判の結果、養育費の減額に成功した事例

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属性

依頼者 50代 男性 会社員

相手方 40代 女性 元妻・パート

子ども 1人(未成年)

相談の経緯

相談者は、相手方である元妻と数年前に離婚をしました。相談者には、元妻との間に、未成年の子どもが1名おり、離婚後は元妻が親権者となり、未成年者を養育していました。

また、離婚に際し、元妻との間で、離婚条件に関する公正証書が作成されておりました。

ご相談者に聞くところによると、相談者は離婚に際し、弁護士等のアドバイスを受けておらず、ほとんど元妻の言うとおりの内容で公正証書を作ってしまったとのことです。その当時は自分が再婚するとも考えておらず、養育費等の相場も知らず、早く離婚したい一心で合意したようです。

離婚から数年後、相談者が他の女性と再婚することとなりました。また、再婚相手の女性にも連れ子がおり、相談者による経済的支援を含めた養育が必要でした。

相談者は、公正証書に記載された養育費の支払いをこのまま続けると、新たな婚姻生活が経済的に成り立たないとの理由から、養育費の減額を求めて、再婚相手とともにご相談に見えました

当事務所の活動

まず、減額が可能かどうか、現在の収入状況等を、再婚相手も含め、お聞きしました。

その後、元妻との公正証書をチェックしたところ、収入からの相場よりも高めの養育費が設定され、また子の大学進学時には大幅な増額とする条項や、養育費の減額を制限する条項までありました。相談者には、かなり不利な条項でしたが、相談者は当時はあまり条項の意味を深く考えず、その意味の理解も正確には出来ていませんでした。他方で、元妻は専門家に条項の作成を依頼していました。この差が如実にでた内容でした。

当事務所で、状況を総合判断したうえで、減額請求は可能と考え、養育費の減額調停を行うことにしました。

 

なお、相談者は、元妻に養育費の減額を事前にお願いしていましたが、元妻が受け入れていなかったため、調停にふみきりました。

結果

減額するかどうかと,減額の金額について、争いがありましたが、最終的には月額3~4万円の減額となりました。手続的には、調停では合意ができず、審判に移行しましたが、最後は裁判官の提案で、合意での解決という結論になりました。

まだ、この先長い将来のことを考えると、大きな減額になったのではないかと思います。

ポイント、所感

まず、最初に感じたのは、婚姻費用や養育費を決める際に十分な吟味をせず、不利な条項で安易に契約を締結すると、それを取り戻すのには大変な苦労がかかるということです。

もちろん、目先の利益や、相手と紛争にしたくないとの思いから、早く終わりたいとの気持ちも理解できます。しかし、少し立ち止まって、専門家に30分相談しただけも、少なくとも契約の内容が理解できますし、将来のリスクを考える契機にもなります。

どんな契約でもそうですが、契約締結前に、ちょっと立ち止まって相談してみるという姿勢が大切だと改めて感じました。なお、養育費の減額ですが、再婚すれば誰でも直ちに認められるというものではありません。減額請求については、弁護士にご相談下さい。

執筆者情報

鈴木洋平法律事務所
鈴木洋平法律事務所鈴木洋平
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